HORIPRO COMedy Academyはどんな養成所なのか

HORIPRO COMedy Academyの看板がある撮影スタジオで発声とカメラ実習を行う本の生徒たち

バナナマン・スピードワゴン・ホリ・たんぽぽなどが所属するホリプロコムにも、お笑いの養成所があります。現在の名前は「HORIPRO COMedy Academy」。読み方は、ホリプロコメディーアカデミーです。

この学校が始まったのは2024年4月です。1年間でネタの基礎を学ぶだけでなく、演技・ボイストレーニング・ものまね・SNS・撮影実習などを組み合わせています。芸人を、舞台でネタだけをする人ではなく、さまざまな媒体へ出るエンターテイナーとして育てる構成です。

今回は、HORIPRO COMedy Academyとは何をする養成所なのか。週2回の授業、対面とオンラインの違い、在学中のライブ、卒業後にホリプロコム所属を目指す流れを解説します。

2024年に1期生が入学した新しい学校

HORIPRO COMedy Academyは、2024年4月に1期生を迎えました。2026年8月には4期生の募集が始まっています。年に一度、4月から1年間学ぶため、一般的な学校年度に近いの数え方です。

ホリプロコムには、以前から「目黒笑売塾」というお笑い養成所がありました。観音日和などの公式プロフィールやインタビューでは、旧養成所の期が経歴として紹介されています。

ただし、現在のアカデミーは1期から数え直しています。目黒笑売塾の15期と、HORIPRO COMedy Academyの1期は連続した16期・17期という関係ではありません。旧養成所の卒業生と、2024年以降のアカデミー卒業生は分けて見る必要があります。

授業は週2回、平日の夜に行われる

現在の募集要項では、授業は火曜日と木曜日の週2回です。1回90分で、時間は19時から20時30分まで。昼間に仕事や学校がある人も通いやすい時間に組まれています。

応募は16歳以上で、上限年齢はありません。プロ・アマを問わず募集しているため、芸人として活動した経験がない人だけの学校ではありません。

定員は対面40人、オンライン20人です。対面で授業を受ける人と、遠方から参加する人を最初から別枠で受け入れているところに、2020年代に始まった学校らしさがあります。

ネタの基礎に、演技と声の授業を組み合わせる

カリキュラムの土台は、お笑いの基礎を学ぶ座学です。ネタの考え方や台本の作り方を学び、講師やホリプロコム所属の芸人さんから、客席に伝わる形へ直すための意見をもらいます。

そこへ演技とボイストレーニングが加わります。コントでは、設定を説明するだけでなく、その人物として動く必要があります。漫才でも、声が聞こえることや、言葉に感情が乗ることは基本です。演技・発声を別の授業として学ぶことで、ネタの内容を舞台で届ける力を作ります。

名誉校長は渡辺正行です。公式サイトでは、自身の若手ライブでの経験を生かし、若い人を支えたいと話しています。通常講師のほかにも、放送作家やホリプロコム所属芸人が特別講師として参加します。

ものまねを独立した授業として扱う

HORIPRO COMedy Academyの特徴が、ものまね講座です。講師を務めるのは、ホリプロコム所属のホリ。名誉校長の渡辺正行も、公式の挨拶でものまねの授業を学校の特色として挙げています。

ものまね芸人を目指す人だけに関係する授業ではありません。人の声や動きを細かく観察し、どの特徴を強く出せば客席に伝わるかを考える作業は、キャラクター作りや演技にもつながります。

同じ事務所には、ものまねを中心に活動する芸人さんが複数います。ホリプロコムが実際に持っているジャンルの強みを、養成所の授業へ入れているわけです。

SNSと撮影実習で、舞台の外での見せ方も学ぶ

カリキュラムには、SNS講座・メディアアプローチ講座・撮影実習もあります。芸人さんが見つかる場所は、テレビや劇場だけではありません。短い動画を自分で発信し、そこで興味を持った人にライブへ来てもらうこともできます。

ただ投稿回数を増やすのではなく、自分の特徴をどの形式なら伝えやすいかを考えます。舞台用の長いネタと、数十秒の動画では見せ方が違います。撮影実習では、カメラの前での動きや、収録した素材がどう見えるかも確認できます。

ネタ・演技・ものまね・SNSを別々の特技として並べるのではなく、一人の芸人を複数の入口から知ってもらうための授業と考えると、カリキュラムのつながりが見えてきます。

対面とオンラインでは、できることが同じではない

オンライン受講は、基本的に教室の授業を定点カメラで見る形です。授業によってはオンラインから参加したり、撮影した動画を送ったりできますが、対面とまったく同じ体験ではありません。

募集条件にも違いがあります。オンラインはピンで活動する人、またはすでに組んでいるコンビが二人そろって入学する場合に限られます。教室内で相方を探してコンビを組むことができないためです。

学費はオンラインのほうが低く設定されていますが、参加できない実習や制限がある授業もあります。遠方から学べることと、舞台で人と合わせる経験のどちらを優先するかを考えて選ぶ必要があります。

在学中に中間ライブ、1年の終わりに卒業ライブがある

1期生は2024年9月に中間ライブを行い、2025年3月に卒業ライブへ出演しました。授業の途中と最後に、お客さんの前で成果を見せる場があります。

公式サイトでは、実力に応じて在学中からライブへ出演できること、卒業後に事務所所属のチャンスがあることを案内しています。卒業した全員の所属を約束する書き方ではありません。

2024年度の1期生は中間ライブと卒業ライブを経験し、2025年度には2期生が同じ1年間を過ごしました。新しい学校なので卒業生の実績はまだ積み上がり始めた段階です。所属者の選び方や卒業後の契約区分について、公式サイトでは細かな条件までは公開していません。

ホリプロコムの強みを、ネタ以外の授業にも広げた学校

HORIPRO COMedy Academyは、1年間のネタ作りを中心にしながら、演技・声・ものまね・SNS・撮影を組み合わせた養成所です。ホリプロコムで活動する芸人さんや作家から、実際の現場について聞く授業もあります。

対面授業は平日の夜に週2回あり、遠方の人にはオンライン枠も用意されています。ただし、相方探しや実技の面では同じ条件ではないため、オンラインは誰にとっても対面の代わりになるわけではありません。

2024年に始まったばかりなので、古くから所属するバナナマンたちの経歴をこの学校の期へ当てはめることはできません。今後、1期・2期の卒業生が事務所ライブでどのように育っていくかによって、HORIPRO COMedy Academyの色もはっきりしていくでしょう。

※カリキュラム・応募条件・学費・オンライン受講の条件は、HORIPRO COMedy Academy公式サイトを2026年8月3日に確認した内容です。開校時期・ライブ・卒業生の所属はホリプロコム公式のお知らせと公式プロフィールで確認しました。年度によって制度は変更される可能性があります。