M-1グランプリのいろんな記録まとめ。最多決勝や最長ブランクなど

M-1の記録を表す大きな双六を旅するオレンジと青の本のキャラクター

M-1グランプリの長い歴史の中で、様々な記録が生まれています。過去最高得点はこの記事執筆現在ではミルクボーイですし、連覇を成し遂げたのは令和ロマンのみです。

今回はM-1公式の大会記録を中心に、決勝進出者の歩みが分かる歴代記録を整理します。

決勝に何回出たのか。一度遠ざかった決勝へ何年ぶりに戻ったのか。前年の敗退から翌年どこまで勝ち上がったのか。こんな記録のお話です。

最多決勝進出は笑い飯の9回

M-1の決勝に最も多く出場しているのは笑い飯です。2002年から2010年まで9大会連続で決勝へ進み、最後の2010年に優勝しました。

2025年大会までのM-1公式の歴代決勝結果をもとに、決勝進出が4回以上あるコンビを並べると次のようになります。

コンビ決勝進出回数進出した年
笑い飯9回2002〜2010年
麒麟5回2001・2003〜2006年
ハライチ5回2009・2010・2015・2016・2021年
和牛5回2015〜2019年
真空ジェシカ5回2021〜2025年
千鳥4回2003〜2005・2007年
ジャルジャル4回2010・2015・2017・2018年
スーパーマラドーナ4回2015〜2018年
オズワルド4回2019〜2022年

真空ジェシカは、和牛だけでなく麒麟・ハライチとも並ぶ通算2位タイです。2025年までの決勝進出者をまとめたビデオリサーチの一覧でも、それぞれの出場年を確認できます。

真空ジェシカは、敗者復活を挟まず5年連続

通算回数とは別に考えたいのが、連続で決勝へ進んだ回数です。

敗者復活戦からの進出を含めると、和牛と真空ジェシカはともに5大会連続で決勝へ進んでいます。ただし、和牛は2016年と2019年が敗者復活からの決勝進出でした。

一方、真空ジェシカは2021年から2025年まで、毎年準決勝を通過して決勝へ進出しています。敗者復活を挟まない連続決勝進出では、9大会連続の笑い飯に次ぐ単独2位です。2025年の準決勝を報じたデイリースポーツの記事でも、史上2組目の記録として紹介されています。

前年2回戦敗退から翌年決勝へ進んだ3組

前年の早い段階で敗退したコンビが、翌年どこまで進んだのか。この見方では、めぞんの2025年決勝進出が歴代でもかなり珍しいことだと分かります。

コンビ前年の結果翌年の結果
笑い飯2001年2回戦敗退2002年決勝3位
カミナリ2015年2回戦敗退2016年決勝7位
めぞん2024年2回戦敗退2025年決勝10位

2024年の時点では、前年2回戦敗退から翌年に決勝へ進んだ例は、2002年の笑い飯と2016年のカミナリだけでした。また、前年1回戦敗退から翌年決勝まで進んだコンビは確認されていません。過去の1回戦敗退経験を持つファイナリストについては、日刊サイゾーの記事に詳しくまとまっています。

2025年のめぞんは、この2組に続く3組目となりました。しかも、めぞんはそれまで9回出場し、最高成績は2023年の3回戦でした。2025年に初めて準々決勝へ進み、そのまま準決勝・決勝まで勝ち上がっています。

FANY Magazineの決勝直前インタビューでは、原一刻が前年の2回戦敗退に触れたうえで、2025年は準々決勝も初めてだったと語っています。単に前年から成績を上げたのではなく、長く越えられなかった壁を一大会でまとめて突破した決勝進出でした。

たくろうは7年ぶりの準決勝から優勝

たくろうは結成3年目の2018年に準決勝へ進出しました。ところが、その後は準々決勝・3回戦での敗退が続きます。

再び準決勝へ進んだのは2025年。7年ぶりに戻った準決勝を通過して初めて決勝へ進み、最終決戦も勝ち抜いて第21代王者になりました。M-1公式の2025年大会ページでも、決勝進出直後のインタビューで本人たちが「7年ぶりの準決勝」に触れています。

初めて出た決勝で、そのまま優勝したこと自体は史上初ではありません。2025年までに誕生した歴代王者20組のうち、たくろうを含む11組が初決勝で優勝しています。

たくろうの歩みで印象的なのは、一度準決勝を経験したあと、7年間届かなかった舞台へ戻った年に頂点まで進んだことです。ただし、7年という間隔が準決勝進出の歴代最長だと確認できる公式資料は見つかっていません。そのため「7年ぶりの準決勝進出から優勝」は事実として書けますが、「史上最長のブランク」とは分けて考える必要があります。

決勝への返り咲きは、暦年と開催大会数で変わる

一度決勝を経験したコンビが、何年ぶりに決勝へ戻ったのか。暦年で見ると、最も間隔が長いのはタイムマシーン3号です。

コンビ前回の決勝返り咲いた決勝暦年での間隔間に開催された大会
タイムマシーン3号2005年2015年10年5大会
キングコング2001年2007年6年5大会
トム・ブラウン2018年2024年6年5大会
スリムクラブ2010年2016年6年1大会

タイムマシーン3号は2005年以来、10年ぶりに2015年の決勝へ進みました。お笑いナタリーの決勝前インタビューでも「10年越しで決勝進出」と紹介されています。

ただし、M-1は2011年から2014年まで開催されていません。大会が行われた回数を基準にすると、キングコング・タイムマシーン3号・トム・ブラウンはいずれも、間に5大会の決勝を逃してから戻ったことになります。

同じ6年ぶりでも、スリムクラブの前回出場は休止前の2010年です。間に開催されたのは2015年大会だけなので、トム・ブラウンの6年ぶりとは意味が異なります。決勝復帰の記録は、暦年だけでなく開催大会数も一緒に見ると実態が分かりやすくなります。

10大会連続で敗者復活戦に出たとろサーモン

決勝進出回数だけでは見えにくい記録もあります。その代表がとろサーモンです。

とろサーモンは、史上最多となる10大会連続で敗者復活戦に出場しました。つまり、何度も準決勝まで進みながら、決勝の一歩手前で敗れ続けていたことになります。

そしてラストイヤーの2017年、準決勝を初めて通過して決勝へ進出。そのまま優勝しました。M-1公式の大会史でも「史上最多10大会連続で敗者復活戦に出場」と紹介されています。

決勝進出は1回だけですが、その1回にたどり着くまでの準決勝進出歴を含めると、とろサーモンはM-1を長く追ってきた人ほど忘れにくい存在です。

記録を見るときは、条件をそろえたい

M-1の進出記録は、条件によって順位が変わります。

  • 決勝進出回数には、敗者復活戦から進んだ年も含まれる
  • 連続決勝進出と、準決勝を通過し続けたストレート進出は分けて考える
  • 2011年から2014年までは大会自体が開催されていない
  • 準決勝以前の細かな結果は、特に旧M-1で公式記録の残り方に差がある

たとえば真空ジェシカは通算決勝進出回数では4組が並ぶ2位タイですが、敗者復活を挟まない5年連続進出では単独2位です。タイムマシーン3号の決勝復帰も、暦年では10年ぶりですが、開催大会数で数えると別のコンビと並びます。

どの記録も条件をそろえて見ることで、そのコンビが積み重ねてきたものがよりはっきり見えてきます。

2025年は、異なる種類の記録が重なった年

真空ジェシカは常連として5年連続の決勝へ進み、めぞんは前年2回戦敗退から急浮上しました。たくろうは7年ぶりに準決勝へ戻り、そのまま初決勝・優勝まで届いています。

毎年の結果だけを見れば、決勝に出た10組とその順位で大会は終わります。しかし過去の進出歴と重ねると、同じ「決勝進出」でも、常連が記録を伸ばしたのか、長い空白を越えて戻ったのか、前年から一気に駆け上がったのかが違います。

M-1の面白さは4分間の漫才だけでなく、そこへたどり着くまでの積み重ねにもあります。今後、新しい決勝進出者が現れたときも、過去のどの歩みと並ぶのかを追記していきます。

2026年8月確認。決勝進出者・順位・敗者復活枠はM-1グランプリ公式「大会の歴史」を基準にしています。準決勝以前の戦績はM-1公式の各大会記録に加え、本人インタビューと報道記事を照合しました。